薬剤師は資格を取れば一人前というわけではありません。実際に仕事を始めてみると、職場で出会った先輩の知識や判断力に圧倒されてしまいます。最初のうちは仕方のないことですが、いつまでも圧倒されている側にいることはできません。しかし、漫然と時間を費やしているだけでは、いつまで経っても一人前にはなれません。一人前を目指す意識をもって、日々の業務に取り組むことが必要になります。
実際に仕事を始めると、資格取得のために身につけた知識だけでは対応できないことと毎日のように出くわします。分からないことの連続で、自信をなくしてしまう人もいますが、決して劣っている人にだけ起こる現象ではないので、落ち込む必要はありません。
但し、そのままにしておいてもいいというわけではありません。分からないことが出てくれば、放置せずに分かることへと変えていくという意識で取り組むことが大切です。分からないことが出てくるたびに、分かることが増えていくので、不安が遣り甲斐に変わります。
周囲には、既に分かっている人が必ずいるので、邪魔にならないタイミングを見計らって確認すれば、分かることに変わります。
薬剤師の業務もスポーツと同じように、出来ないことをマスターするには手本があった方が楽です。野球少年がプロ野球選手に憧れて真似をするように、職場に憧れの先輩を見つけて真似をすることが成長に繋がります。知識や判断力において圧倒的な先輩の真似をしながら、そこに自分を近づけていく意識で日々の業務に取り組めば、迷子になることはありません。
成長は見えにくい面が多く、独りよがりになる場合もあります。近くにいる人を具体的な目標にして取り組めば、少しずつ近づいていることを実感できるので、モチベーションの維持にも役立ちます。
日々の業務における目標とは別に、数年後に達成する目標を具体的に設定すると効果的です。一人前と言ってもらえる薬剤師になるなどの抽象的な目標よりも、具体性のあるものの方が効果を期待できます。例えば、特定の資格を取得するとか、職場において特定の業務を任される存在になるとかです。
数年後に設定した具体的な目標を目指す意識を持っていれば、今何をするべきなのかに迷うことはなくなります。